疾患と対処法 | 花粉症とつきあうために… | 地下鉄御堂筋線・京阪電車、淀屋橋駅より徒歩3分にある耳鼻咽喉科・アレルギー科クリニック | ならむらクリニック
花粉症は木や草の花粉が空中を飛び、それが鼻や目の中に入ってくしゃみ、鼻水、鼻詰まりや目のかゆみなどのアレルギー症状を起こす病気です。今や国民の10人に1人が花粉症であると言われるほどです。
●花粉症はこうして起こる
「アレルギー」とは、90年以上前にフランス人のピルケによって提唱されたものです。人には自己と異なる物質が体内にはいると、それを見分けて排除しようとする能力があります。この働きが、ある特定の物質に対して過敏に反応することをアレルギーといい、このとき原因となるものを「アレルゲン(抗原)」といいます。花粉症の場合のアレルゲンは、各種の花粉に含まれる物質です。アレルゲンとなる花粉が、鼻や目の粘膜から体内にはいると、それに対する抗体が体内でつくられます。この抗体は、抗原の吸入が続くと少しづつ増えていきます。抗体がまだ少ない時期には、ほとんど症状として現れませんが、ある一定の量になるとアレルギー症状が現れます。
●花粉症の原因となる植物について
花粉の飛散時期は、原因となる植物の開花期によって異なります。スギであれば、一般に2月の上旬から4月にかけて、ヒノキはスギより少し遅れて4月から5月、ハルガヤ、カモガヤ、オオアワガエリなどの稲科の植物は主に初夏の頃、ブタクサ、ヨモギなどは夏の終わりから秋にかけて開花し、花粉を飛ばします。日本の花粉症の約8割がスギ花粉症といわれています。しかし、スギ花粉以外にも花粉症の原因となる花粉がたくさんあります。真冬以外は何らかの花粉が飛んでいるといっても過言ではありません。「いつ、どれだけ花粉が飛ぶのか」など飛散時期を知っておくことは、早めの予防対策を講じる上で役に立ちます。
●花粉症?それとも風邪?
花粉症の症状は、①くしゃみ ②鼻水 ③鼻詰まり ④目のかゆみ です。毎年ほぼ決まった季節にあらわれ、くしゃみは何回も続けて出るのが特徴です。鼻水は水のように透明でサラサラとしていて、流れるように出ることが多いです。また、花粉症による場合はかゆみが強いのが特徴です。鼻水の細胞検査で、好酸球があると確実に花粉症です。一方、同じ様な症状でも全身倦怠感や発熱が見られ、のどの痛みなどがあれば、風邪を考えた方がいいでしょう。また風邪の場合、鼻水に膿が混じっていたりすることが多いようです。
●花粉症の対策
シーズン前には
花粉症の発症を防ぎ、発症しても軽く済ませるために、花粉飛散の約2週間前から抗アレルギー剤を内服する事により、発症を抑えることができます。最近ではレーザーで鼻の粘膜を照射し、鼻粘膜を花粉に反応しにくくさせる治療法もあります。(詳しくはこちら)
スギ花粉飛散開始予測日は、テレビや新聞で約1ヶ月前に発表されます。スギの開花は2月~3月ですが、1月の気温の高い年、雨や雪の少ない年は少し早くなります。
外出するときには
花粉は晴れた風のある日(特に雨上がりの翌日)によく飛びます。このような日の外出は出来るだけ控えるようにし、どうしても外出しなければならないときには、マスクやメガネ、帽子を着用しましょう。
花粉の室内への進入を防ぐために、窓を閉めておきましょう。洗濯物を取り込む際には、花粉を十分に払い落とし、布団を干す際にはカバーをつけましょう。外出からの帰宅後は、髪の毛や衣服についた花粉を落とすように心掛けましょう。また、うがい、洗顔を忘れないようにしましょう。
家に居るときは
過労や精神的なストレスは、アレルギー症状のあらわれるきっかけになったり症状を悪化させることもあります。不規則な生活を避け、十分な睡眠を取るようにし、またお酒、タバコも」出来るだけ控えめにして下さい。
治療
花粉症になってしまった場合には、内服薬(抗アレルギー剤・抗ヒスタミン剤・漢方薬)や外用薬(点鼻・点眼薬)などを用いて症状を抑えます。よく効くのは抗ヒスタミン剤ですが、これは眠気を伴うこともあります。近年、全く眠気を伴わない薬も発売されました。花粉症の程度に応じて、薬を使い分けるのがいいでしょう。
まとめ
花粉症は一生つきあっていく必要のあるアレルギーです。今年の夏が暑いと、来シーズンの花粉は多いといわれています。飛散前の予防と早めの治療でかなり楽に乗り切れますので、是非気軽に相談して下さい。